髙丸工業株式会社「PC 操作による遠隔溶接ロボットシステム」

お問い合わせ先

企業名:髙丸工業 株式会社
所在地:兵庫県西宮市朝凪町1-50 JFE西宮工場内
TEL:0798-38-9200
email:yasuyuki@takamaru.com
web:https://www.takamaru.com/

会社概要

当社は創業60年、産業用ロボットに携わって45年以上になる老舗のロボットシステムインテグレーターである。対象ワークの重量が1000tを超す重工業向け案件や、多品種対応の「中小企業向け」案件など、他社では対応できないロボットシステムを、企画から引き渡しまで全てを自社で行っている。

また全長100mを超す生産ラインも、当社工場内でレイアウトし実試運転したのちにユーザー工場へ移設する方法をとっており、垂直立ち上げにも貢献している。これからも常に「前代未聞」に挑戦するロボットSlerとして、業界のリーダーを目指す。

2023 国際ロボット展での出展ブースの見どころ
東 2 ホール E2-16

当社がロボット関連事業を開始した45年前、顧客のロボット導入理由は「製品が多品種になったから」であった。つまり「大量生産の製品は自動機械で対応出来るが、品種が増えたのでプログラムを変えると動きが変わるロボットに置き換える」というものであったのだ。ところがいま多くの中小企業は「当社の製品は多品種だからロボット化はできない」と言っている。いつの間にかロボットは開発された本来の目的を忘れ去られ、大量生産のための簡易の自動機械として扱われるようになったのである。この度の展示物は、ロボットの本来の開発目的である「多品種対応」をさらに進化させ「一品物対応」が出来るシステムとして開発したものである。さらにロボットメーカー各社で扱い方も異なっているが、本開発により異なるメーカーの操作を共通化し、誰もが簡単に扱える装置にすることで、「一品物の生産にも対応できるロボットシステム」に生まれ変わったのである。

導入事例

これまでさまざまな顧客へロボットシステムを導入してきたが、多品種少量生産の究極は我々ロボットシステムインテグレーターの業務だと強く実感している。特に当社は固定の顧客がなく、重工業や一次産業も含むあらゆる業界に対し積極的にロボット導入してきた経緯があり、最も多品種に対応している企業であるといっても過言ではない。本開発製品は現在、当社内で都度設計の一品物である「ロボットシステム」の部品を製造する設備として使用しているものである。誰もが簡単に扱える装置の実現を目指し、実際に4月に入社した新入社員が5月には本設備を使用した部品の製造に取組むなど、社内業務及び本製品の改善活動を継続している。現状はアーク溶接作業に本設備を使用しているが、今後は研削作業や穴あけ作業などにも拡充してゆく考えである。本開発製品の仕組みが今後のスタンダードとなるように、さらなる展開を実現する。

導入効果

溶接はいわゆる3K業務の最たるものであり多くの若者や特に女性からは敬遠されがちな作業であるが、製造現場の経験すらない新卒の女性社員が遠隔でPCで対応可能となった。産業用ロボットを『遠隔で誰もが簡単に扱える』仕組みを構築することで、特に若手社員にとってのロボットや溶接に対する位置付けが少しずつ変化していると感じる。実際に、大変な当社業務スキルの習得も楽しんで実施してくれているだけでなく、ロボット操作を敬遠してきた現場の職人も『これなら触ってみようか』と発言する程である。ロボットをこれまでのような“設備”としてではなく“人の技能を補う道具”として活用可能な未来を切り拓いていく。